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17 悪夢のホワイトデー

2018.11.07
3月14日というとバレンタインにもらったチョコのお返しをする日ですね。
2月14日に私も娘達から「友達にあげる手作りお菓子のあまり」を有難く貰いましたので(何かこういう問題になると、娘の成長と共にひがみ根性が強くなってしまう今日この頃です)、そのお返しは「サザエさんのおはぎ」でした。

もっとも何がいいかわからないので大神ママに買ってきて貰ったのですが・・・。

そしてその事件は次の日の夜に起きました。私はダイニングで一人缶ビールを飲みながら本を読んでいました。ビールの2本目を飲み終わり、ウイスキーを飲み始めると少しつまみが欲しくなりました。

テーブルの上になんの変哲もないパンケーキがひとつ・・・。何とも思わず、ちょっとだけ食べてみると、これがなかなか旨い。もう一口だけと思い、口に入れると、今度はキャラメルみたいなものが甘く口に拡がった。なんなんだこれはー? 
旨い!・・・何であるか確かめる為にもう一口、やっぱり旨くてもう一口。あっと気が付いた時には、残りはひとかけら。

ちょっと食べすぎて胸焼けがするなあーなんて思っていたところに、綾を新体操に迎えに行っていた大神ママが帰ってきた。店長大神の前にあるひとかけらになったパンケーキを見つけた瞬間、

「あなたー!何 食べようとー!」

「あのーパンケーキですが・・・・」 その鬼のような気迫に押され、何が起きたの?・・・・の世界。 
店長大神が食べたパンケーキは、綾が友達にバレンタインでクッキーをあげたお返しに貰った手作りのもので、新体操の前に食べるといけないから帰ってから食べようと楽しみにしていたものらしい。

この時ばかりは、上のお姉ちゃんから庇ってもらえないばかりか、いつもお父さんは、あーだ、こーだ
と母子4人から以前のものまでほじくり返され、もうサンドバック状態!

『なんで私のケーキを食べたとよ』と綾には半泣き状態で訴えられて、反論出来るはずもなく『何も確かめずに食べたお父さんが悪いっちゃばってん、本当にそんな大事なパンケーキって知らんかったったい。

お父さんは手作り出来んけん今度「5つの銅貨」のケーキを綾の為に買って上げるけん、許して・・・』とこちらも涙ながらに許しを請いました。

店長大神の迫真の演技・・いや気持ちが伝わり、どうにか許してもらえました。
ホッとして綾の友達の腕を褒めるのもあったのだが『しかしあのパンケーキ旨かったなあ』とポロッと呟いた・・・が、これがまずかった。

『なんでそんな美味しいケーキをお父さん一人だけで食べてしまうとよ』と話が振り出しに戻ってしまった。

完璧に形勢不利でそれを打開するには買収しか残されてなく、この頃注文したばっかりの新体操のリボンとボールの代金を半額払う事で落ち着きました。

次の日、美紀が綾の為にパンケーキを焼いてくれました。お姉ちゃん ありがとう!       

反省①テーブルの上のものは所有権を確かめてから食べましょう!

21に続く