靴へのこだわり | 福岡のオーダースーツと靴の専門店/Biggod-ビガッド-

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オーダーメイド靴との出会いとBiggodの使命

ファッションは足元からといいますが、スーツにはお金を掛けても靴には無頓着な方も多いです。そのようなお客様には英国式クラッシックスタイルの既製品を提案してきました。

15年程前、東京修行時代の同僚から是非にと靴のオーダーメイドを薦められました。既製品に比べ価格が高いので、仕方なく試しに1足作ってみました。2ヶ月近くも掛かって出来上がってきました。ガッチリとした作りで黒光りした美しさはあるものの変な表現かもしれませんが、「少し無愛想な靴!」と感じました。

靴職人から「少しずつ慣らして、あなただけの靴を作って下さい!」と言われましたが、大げさだなあと聞き流しました。履き出して1週間も経つと最初ギシギシと音をたて硬かった革がまだ硬いなりに少し馴染んできました。そして2週間、1ヶ月、3ヶ月とどんどん硬さが和らぎ、中底は足の形のままに沈み込んでいきました。

半年が過ぎた辺りでその変化もやっと落ち着いたという感じでしょうか。履き口も革は柔らかくなり、返りもよくなり、全体で私の足を包み込むといった感覚になりました。靴が馴染むという“その深さ”は店長大神の初めての感覚でした。

この履き心地の秘密はオーダーメイドというだけでなくハンドソーン・ウェルテッド製法によるものでした。その当時ファッション業界に身を置いて20年、自分こそ足元に無頓着だったと恥ずかしく思いましたが、この素晴らしい感覚を多くの方に伝えたいと強く感じました。

ハンドソーン・ウェルテッド製法による靴へのこだわり

多くの人に「ハンドソーン・ウェルテッド製法のオーダー靴の履き心地」を体験してもらいたい。この思いからBiggodで取り扱いを始めました。

しかし一番の問題は価格です。普通オーダー靴専門店ではハンドソーン・ウェルテッド製法の商品は10万円を下りません。まず気軽に注文して頂けるような“価格”の検討から始めました。“素晴らしい履き心地”を維持する為に、省けるものと省けないものを慎重に吟味し、工房へBiggodの思いをぶつけました。

その後、工房との数回に及ぶやりとりにより、デザインは型紙を起こさなくてはいけない特別な物は注文外としましたが、英国式クラッシックスタイルの組み合わせから選ぶ事が出来、6万円台で究極の履き心地を提供出来るようになりました! Biggodの靴は流行に大きく左右されない英国式クラッシックスタイルが基本。英国伝統のハンドソーン・ウェルテッド製法を採用し、履き心地のよさと耐久性を追及したオーダーメイドの靴です。

但し、ダシ縫いと呼ばれる工程(ウエルトとソールを縫い合わせる作業)は手作業で手間を掛けても、その割に履き心地にはあまり影響がないということで、ここだけは機械縫いで行っています。

英国人は一般的に“良いものだったら、修理しながら大事に長く使用する”という文化を持っています。住居はもちろん、ハリスツイードなどのジャケットなどは“親子3代で着る”なんてことをいわれたりします。そんな英国人が作った英国式クラッシックスタイルの靴は伝統に裏打ちされた美しさを持ちながら、その見た目からは想像も出来ないくらい丈夫で履きやすいのです。

店長大神は「よそ行きの時にだけ履くのではなく、お仕事やプライベートなど日常生活において履き心地を楽しんで、どんどん履いて頂く靴」として、多くの方にお届けしていきたいと考えています。

▶熟練革靴職人による伝統の手縫い製法(ハンドソーン・ウェルテッド製法)

履き込むほどに足に馴染みます。その秘密は部位によって力加減を施した“すくい縫い”と通常の2倍の厚さ(5mm)の牛革を使ったインソール(中底)にあります。

納品された時、実はまだ本当の意味では完成していません。履き込むうちに手で縫い上げられた靴が足の形に応じて適度に締り、また部位によっては緩みが出る。そして厚さ5mmのインソールはどんどん足の形に沈み込んでくる。やがて靴全体があなたの足全体をやさしく包み込む。

最初は、少しよそよそしささえ感じてしまう靴が、1週間、2週間、1ヶ月と経つうちにどんどんあなたの足にフィットしていきます。使用頻度にもよりますが、半年も経つとその変化も落ち着いてきます。その時初めてお客様の靴が完成したと考えます。

内部には、厚手の革、松脂を撚った糸、コルクなど、たくさんの天然素材で構成されています。このパーツの多さが、手を掛けて丁寧に作り上げられた証です。

▶使用年数を考えると、むしろ経済的

 

耐久性に富み、10年以上は普通に履き続けることが出来ます。

昨今の各パーツを接着剤でくっつける大量生産の製法とは次元が違い、熟練した職人が一針一針丹精込め縫い上げる為、美しくそして堅牢です。しかも踵や底が擦り減れば、何回でもアウトソール(外底)を交換する事が出来ます。

このようにメンテナンスを施せば、10年以上は普通に履き続けることが可能で使用年数と履き心地を考えるとむしろ経済的と考えます。

▶履き心地抜群、真夏でも蒸れにくい

 

蒸れにくいのも特長です。

当店で購入されたお客様で塾の先生がいらっしゃいます。その先生が「以前、授業の合間は靴が蒸れて、思わず脱いでいたけど、今は脱ぐことを忘れました。なぜだかこれは蒸れませんね!」と大変喜んでくれました。

その理由は汗を掻く足の裏に面するインソール(中底)に吸湿性に優れた通常の2倍の厚さ(5㎜)の牛革を使用しているからなのです。

ここで大事なことは吸収した汗はゆっくり排出させること。1日履いたら2日休ませる。靴は休ませながら履くことが、さらに長持ちさせる秘訣です。

▶確かなメジャーリング技術

 

オーダースーツの世界に入って37年、今まで採寸した数は延べ2万人を超えました。同じサイズの人はいらっしゃいません。

スーツの採寸の難しさは、箱を測るように単にメジャーを体に当てるだけでは済まないことです。スーツは動く人間が着るものだし、年齢や生活様式でサイズの好みも違います。打ち合わせや採寸の間にたくさんのことをお伺いし、思いをめぐらせ、お客様と心を合わせカルテを完成させていきます。

靴の採寸は400人を超えたばかりですが、靴職人に採寸を初めて習った時「あんた、うまいな~!」と褒められました。採寸をする箇所は違うものの気を配るところはオーダースーツと全く一緒だったのです。 しかし、足の形がこんなにひとり、ひとり違うのには驚きました。こんなに違っているのなら、既製品が本当に合っている人は半数もいないだろうと思います。

▶楽しく履き続けて頂くためのアドバイス

 

Biggodでは納品時に靴と長く付き合って頂く為に守って頂きたいことをお話しております。

まず使い方からですが、靴を履いたり脱いだりする時は必ずヒモをゆるめて下さい。履き口の状態がぜんぜん違ってきます。これは業界の常識です。

・・・しかし家を出た後、頻繁に靴を脱ぐ人(特に営業でお客様の家に訪問の場合)は難しいですね。お客様を玄関に待たせるのは中々出来にくいもの。店長大神はそんな時には事前にヒモを緩く結んで靴ベラを使ってすませています。

そんな訳でBiggodで初めてご注文されたお客様にはお洒落な靴ベラをプレゼントさせて頂きます(笑)

お手入れに関しては、履いた後、普段磨いている布でサッと全体をさするように磨くだけで充分です。そして2週間に1度くらいは保湿の為にクリームをつけて磨いて下さい。これを長い間怠ってヒビが入ると完全OUTです。

踵や外底(アウトソール)が減ってしまった時は当店にお持ち下さい。その部分の交換とともに全体の点検を行い、小さなキズの補修も同時にさせて頂きますので、見違えるほどに復活をします。