487 クレリックシャツ | 福岡のオーダースーツと靴の専門店/Biggod-ビガッド-

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487 クレリックシャツ

2022.03.04
40年前、店長大神は父の取引先の紹介で、東京の虎ノ門、日本橋、渋谷に店を構えるロードメイヤーに修行に行くことが決まった。
大学4年生の秋だったか、父と挨拶をする為に上京した。本部のある虎ノ門店に行くと最初に挨拶したのがそこの店長さん。首からメージャーを掛け、このクレリックシャツをタイトに着ていらっしゃった。今でもその姿は鮮明に目に浮かぶ。東京弁!?でまくし立てられ、今考えてみるとこの方は30代の若者だったが、その時はなんと気障なおじさんだなあと思った・・すんません、お世話になりましたー!!(笑)

ところでクレリックシャツを調べてみると、「クレリック」とは英語で牧師・聖職者のことで、その服装が黒の上着から白襟が立っていることから、衿が白く、身頃(みごろ)の部分と色違いになっているシャツをクレリックシャツと呼ぶようになった。・・との事であるが、もっと調べてみると何と”クレリックシャツ“は和製英語。・・ということは、日本で勝手に作った名詞!? 欧米ではホワイト・カラード・シャツと呼ばれている。

店長大神思うに、クレリックシャツは最初、傷みやすい衿やカフスを取り替えて、それが流行したのではないかと想像する。英国人は、服でも靴でも修繕しながら長く大事に使う文化である。ハリスツイードのジャケットは親子3代引き継いで使うとも言われるが、肘が擦り切れればエルボーパッチをつける。それと同じ感覚ではないかと思う。

ところで店長大神は仕事柄50枚ほどのワイシャツを持っている。その中で、首周りが擦れたもの、首周りがきつくなってきたもの、衿の形が気に入らないものなど10枚ほど処分しようと思っていた。今回、シャツの見頃は殆ど傷んでなかったので、ちょっと待てよ~と思い直し、すべて衿をワイドカラーのクレリックにした。衿を替えると新品同様になった。工賃¥2000で出来るので、コスパがいい! 

店長大神おススメである。よかったら、衿だけクレリックに作り替えませんか?←これが言いたくて・・(笑)