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31 ハチのアホ

2018.11.09
人間同様、犬同士にも好き嫌いがあるのか、ハチがクンクンと寄り添う犬がいれば、まったく無視する犬、激しく吠えあう犬がいる。
散歩も1年を過ぎるとハチの好きな犬、嫌いな犬がだいたいわかってきた。

毎朝すれ違う犬で「まろ」というのがいる。(飼い主さんがそう呼んでいるので・・)目の上に斑点がある俗にいう4つ目の犬だ。平安時代の貴族の眉墨みたいなので「麻呂」かな?

それはいいとして、その犬ととにかく仲が悪く、飛び掛らんばかりによく吠えあう。だからすれ違う時はどちらかが脇道に入って道を譲る。

先日、ハチが急に自転車を引っ張って癇癪のように前に進むので何かと思えば、前方に宿敵!?「麻呂様」がいた。脇道がない一本道で出会ってしまった。

あちらは道の向かい側に避けて止まっている。余程引返そうかとも思ったがそのままハチを左に引っ張りながら自転車を盾に通り過ぎようと思った。

店長大神はスピードを上げ左前に行くハチに並んだがハチも加速、それに負けじと店長大神もペダルを踏んだので、そのまま「麻呂様」の横を通り過ぎるかに思えた・・・甘かった。

次の瞬間、ハチはターボエンジンに切り替えたごとく店長大神の自転車を追い越し、強引に前を横切って「麻呂様」のほうに飛びつこうとした。「自転車は急に止まれない!!」哀れ店長大神は前を塞がれハイスピードのまま転倒!

「あ痛たた・・・!」とアスファルトに叩きつけられ転げていると「ハチのあほ」は自転車を引き摺りながら、また「麻呂様」に飛び掛ろうとした。

急いで立ち上がり紐を取って、興奮状態のハチの頭に「このあほが!」と怒りの一撃・・・しかしスカッとかわされ空振り、2発めがバコッと当たり、ハチも正気に戻った。

相手の飼い主の方は「すみません!大丈夫ですか?」と何回も言ってくれるが勝手に飛び掛って勝手に転んだ当方としては何とも恥ずかしくて、早くこの場を去りたい心境・・・。「いえ大丈夫です。こちらの方がすみませんでした。」と言ってそそくさと別れた。

しかし道の角を曲がった途端、足を打ったところが急にズキズキしてきた。擦り傷を負ったところからは、血がにじんできた。

「こらハチ!」と怒鳴りつけてもハチは知らんぷり!クソーと涙目の店長大神でした。